投資日記

「合意なきEU離脱」って何?どんな影響がある?|英国EU離脱(ブレグジット)問題

≪2019.1.18作成≫
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更新履歴

2019.3.13更新

  • 更新箇所:目次2『今後の展開は?』
  • EU離脱に向けた英国議会の状況について更新

2019.3.31更新

  • 更新箇所:目次2『今後の展開は?』

2019.4.7更新

  • 更新箇所:目次2『今後の展開は?』

 

英国議会は、2019年1月15日、メイ首相がEUとまとめたEUからの離脱案を否決しました。

 

▼2018.11 英国とEUで合意した離脱協定案

≪出所:NHKワールドウォッチング≫

 

1月10日に安部首相と英国メイ首相が会談し、そのEU離脱(ブレグジット)協定案に対し安部首相が「日本は全面的に支持する」と明言。

 

TVニュースで和やかな感じだったので、英国議会での承認に向けて順調なように勝手に見てましたが、ふたを開けてみると、歴史的な大差での否決。。

 

なんだかてんやわんやですが、正直報道やNews観ていても今どんな状況で何が問題かよくわからないですよね。。

 

ということで、問題の大枠を掴むべくざっくりシンプルにまとめてみたいと思います。

 

英国・EUの混乱は当然資産運用にも影響があります(※)ので。

 

(※)ロボアドバイザーでの投資をされている人は、自分が意識せずともFTSE100といった英国株価指数に連動するETFを間接的に保有している場合があります。

 

こんな内容でまとめていきます。

  1. どんな対立構造なの?何で揉めているの?
  2. 今後の展開は?
  3. そもそも「合意なき離脱」とは
  4. 「合意なき離脱」その影響は?
  5. 英国株価指数FTSE100への影響は?

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どんな対立構造?何で揉めているの?


EUに「離脱」するか「残留」するか。

 

2016年の国民投票でEU離脱が決まったわけですが、元々「離脱」52%、「残留」48%と国を二分するような状況でした。

 

2019年1月の離脱案否決をめぐっては、メイ首相を支持していた「離脱」派が大きく2つに分離しています。

 

一つは、メイ首相の離脱協定案に沿って離脱すべきだという「離脱協定案支持派」

 

もう一つは、メイ首相案ではEUのルールに縛られたままだという意見を持ち、EUとの合意なき離脱も辞さないという「離脱強硬派」です。

 

離脱派を2つに分離した主な理由として挙げられているのがメイ首相のEU離脱協定案に盛り込まれたある条件。

 

英国とEUで人やモノの流れが突然止まることがないよう、離脱する2019年3月29年から2020年末までを移行期間とする。

 

この間に、EU加盟国のアイルランドとの国境問題が解決できなかった場合、英国は事実上、EUの関税同盟に残るとされています。

 

brexit_3≪出所:NHKワールドウォッチング≫

 

ということでこのように「EU残留派」と「EU離脱強硬派」がメイ首相のEU離脱協定案に反対票を投じて否決されたわけです。

 

今後の展開は?


離脱協定案が否決されたのち、メイ首相への不信任案が出ていましたが、それはギリ否決されました。(2019年1月17日)

 

 

メイ首相は、2019年1月21日までに協定代替案を示すとしています。

 

野党から意見を聞き、再度EUと調整する方針です。

 

ただし、EUは協定案の修正には応じられないとする立場は変えておらず、調整の見通しは明るくありません。

 

さらに英国議会では、EU離脱をこのまま進めるかどうかを再度国民投票で決めるべきとの声も出てきており(そんなのあり??笑)先行きは一層不透明。

 

そうなるといよいよ、EUとの取り決めがないまま離脱に至る「合意なき離脱」が現実味を帯びてきます。

 

2019年3月29日にEUからの離脱を控えるなか、英国議会では注目の投票が続きます。

 

▼3/12,13,14の英国議会注目点と結果

3月12日、メイ首相のEU離脱協定案が否決。

 

それを受けて3月13日、EUからの「合意なき離脱」の是非が採決され、これは予想通りに否決されました。

 

否決後、3月14日、EUからの「離脱の延期」の是非が採決され可決。しかし、EUの態度は想定より硬化し以下2つの選択肢が示されました。

 

  • 離脱協定案を英国議会で可決のうえ、5/22までEU離脱を延期。
  • 離脱協定案が英国議会で可決できない場合、EU離脱延期は4/12まで。

 

そして、英国議会は3月29日、EU離脱協定案を否決。

 

この採決では、離脱協定案として8つの選択肢が示唆されました。過去に二度、離脱協定案が否決されていたためです。

 

≪出所:朝日新聞GLOBE≫

 

ネコB
ネコB
『残留』ってのも否決されてるんだね

 

しかしまた否決されたため、メイ首相もなかばお手上げ状態。

 

メイ首相の採決後のコメント。

「議会は合意なき離脱を否決し、離脱撤回も拒否した27日には議題に上がるすべての選択肢の受け入れを拒み、今日は離脱協定案単体の承認と、将来に関するプロセス継続も拒否した。」

≪参考:Newsweek Japan

 

2019年3月31日時点では4月12日の合意なき離脱の確率が高まっているとはいえ、こんな状態で実際に離脱するのかを含めて不透明感が強まっています。

 

★★★2019年4月7日(金)追記★★★

4月8日(月)週の注目点を追記します。

◆4月10日臨時EUサミット

  • 4/5英国がEU離脱延期を6/30まで延期したいと要請済
  • EUがそれを承認するかどうか&承認する場合、どんな条件を付すか

 

◆4月12日迄上記離脱延期申請をEUが承認するかどうか

  • 承認しなければ、合意なき離脱

 

◆4月18日欧州議会解散

  • 新議会招集は7月2日となる。

 

◆5月22日➡英国でEU離脱協定案合意した場合の離脱期日

  • 6/30までの離脱延期要請にて、メイ首相は「5/23の時点で英国がEU加盟国だった場合、欧州議会選挙に参加する義務があるという欧州理事会の見解を受け入れる」としている。

 

◆5月23日~26日欧州議会選挙

各イベントに、ifが多すぎます。。かなり流動的。

 

今週のハイライトは、4月12日迄のEU側の離脱延期要請に対する判断です。

 

ネコA
ネコA
混迷極まる。。

 

そもそも「合意なき離脱」とは


英国がEUから離脱するにあたり急激な変化を避けるため、来年末まで移行期間を設けることがEU離脱協定案に盛り込まれています。

 

当分の間、事実上EUに留まり、その間にこれまでかからなかった関税や幅広く共有していたルールをどうするかを決定し、最終的にはEUと英国で新たな貿易協定を結びたいと考えているわけです。

 

しかしそのEU離脱協定案も英国議会で承認されなければ発動されません。

 

EU離脱の予定日は2019年3月29日に決まっているため、それまでに協定案が承認されなければ、急激な変化を避けるための移行期間がない離脱、つまりEU側と合意した協定のない状態の離脱となります。

 

それが、「合意なき離脱」と呼ばれています。

 

ネコA
ネコA
EU離脱予定日の期限は、10月31日まで再延期されました

 

「合意なき離脱」その影響は?

 

これ、結構衝撃的ですよね。。やはり影響は非常に大きい。。

 

▼日経新聞|合意なき離脱なら英経済に打撃

brexit_4≪出所:日経新聞電子版

 

EUとの貿易量、最大▲18%。
実質賃金、最大▲11.8%。
GDP、最大▲8%。。。

 

このGDPの下落幅はあのリーマンショック以来の規模になります。

 

その他具体的には、

 

◆物流

 

英国⇔EU間で通関手続きが必要に。

 

例えばこれまでは発送準備から到着まで12時間程度であったものが、通関手続きによって最大72時間程と6倍程度の時間が必要になる可能性も。

 

◆自動車産業

 

通関手続き煩雑化。関税負担増。労働者不足のトリプルパンチ。

 

自動車生産台数は現状年間170万台だが、2024年までに100万台まで減少見込み。

 

◆その他

 

英国運転免許証だけでは、EU域内で運転ができない

 

英国で契約した携帯電話をEUで使うと、一部の通信会社から新たに国際料金が課せられる。など

 

英国株価指数FTSE100への影響は?

 

英国株価にはどんな影響があるでしょうか

 

FTSE100種株価指数を構成する世界的な企業群、例えばブリティッシュ・アメリカン・タバコやGSKなど、収益の7割を海外で稼いでいるような企業群にとってはあまり影響はないだろうと言われています

 

むしろ、ポンド安が進行することによって株価が上昇する可能性があるとの見方も。

 

しかし、「合意なき離脱」を目線に捉えながらの動きを見せる2018年11月以降の株価において、従来のポンド安とFTSE100の株価の相関が崩れ双方下落する局面もあり、投資家にとっては先が読めないリスク要因であることに変わりありません。

 

▼FTSE100|6ヵ月チャート

FTSE100chart_20190118≪出所:Trading view≫

 

 

『合意なき離脱』となると、合意を前提とした「移行期間」がなくなり、2019年3月29日に「完全離脱」となります。

 

そうすると英国は、様々な法制、規制の整備が間に合いません。また、EU⇔英国間で、ヒト、モノ、カネ、サービスの自由な移動ができなくなります。

 

上述したように、英国を拠点とする企業の活動にはネガティブな影響は避けられません。

 

冒頭にも記載したように、ロボアドサービスや投資信託を購入している方の中には、英国株式市場に間接的に投資している商品を含むものもあるため、これを機にその値動きに注目してみると、今後の資産運用や投資の視点として経験値になるのではないでしょうか。

 

FXでポンドへ投資している方は、ボラティリティの高い相場に臨むことになりますね。

 

けだま
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FX初心者の方は着地点が見定まるまで様子をみることをおススメします

 

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