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こんにちは、けだま(@kedamafire)です。
資産運用成績公開記事はこちら。
米国の特定業種だけに投資できるセクターETFをシリーズで紹介していきます。
“ITバブル”、”不動産バブル”といった言葉があるように、ある業種・業界に資金が集まる時には、特定の企業だけではなく、その業種・業界全体が強くなる傾向があります。
そこには産業のトレンド変化や景気循環サイクルといった世の中の大きな流れがあるためです。よね。
例えばそういうちょっとした世の中の動きをもとにして個別銘柄に立ち返ってみると、『A社の売上が伸びている』ではなく、『A社を含む業界全体の売上が増加傾向である』というような捉え方が正しい理解の場合って往々にしてあるわけです。
また、『A社の売上が伸びている』けども、『A社を含む業界全体の売上は減少傾向である』場合もあるでしょうし、『A社の売上が落ちている』けども『A社を含む業界全体の売上は増加傾向である』場合もあるでしょう。
何が言いたいかというと、
セクターETFの動向を追うことは、単に投資対象としてではなく、個別銘柄や相場状況、トレンドを知るためにも役に立つ。
ということです。
ですので、この記事はセクターETFを投資対象として考えていない方にとっても、企業・相場・経済を理解するために役立つ内容になっていると考えていますので、ぜひ読んでみてください。
今後、以下のようにシリーズでセクターETFを紹介していきます。
セクター名称 | 企業例 | ETF例 |
---|---|---|
情報技術 | AAPL,MSFT | VGT,XLK |
ヘルスケア | JNJ,UNH,MRK | VHT,XLV |
生活必需品 | PG,KO,PEP | VDC,XLP |
公益 | NEE,D,SO | VPU,XLU |
通信サービス | GOOG,FB,DIS | VOX,XLC |
一般消費財 | AMZN,HD,MCD, | VCR,XLY |
資本財 | UNP,LMT,BA | VIS,XLY |
金融 | JPM,BRK,BAC | VFH,XLF |
エネルギー | XOM,CVX | VDE,XLE |
素材 | LIN,APD | VAW,XLB |
不動産 | AMT,CCI, | IYR,XLRE |
- セクターETFに関する基本的な理解
- 米国・情報技術セクターの基本情報
- 米国・情報技術セクターの特徴


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【基本】そもそもセクターETFってなに?その特徴と投資での活用方法

まずは簡単に言葉の定義からです。そもそもセクターとは何でしょうか。
確かに投資関連で”セクター”が使われる際は、”業種”という意味合いで使われていることが多い印象です。
が、正確には以下が正しい理解かなと思います。
セクターとは、主に株式相場や株式市場を分析する際、便宜上区分するグループのことです。セクターは業種や発行株数、株価といったグループだけでなく、技術や開発といったテーマごとに分ける場合もあります。
ファンドマネージャーやアナリストは、セクター毎に業績比較を行ったり、セクター内での株価割高・割安を比較するなどして、投資判断材料を探します。
≪引用:SMBC日興証券≫
業種という意味以外にも、様々な切り口でのグループがセクターと表現されるわけですね。
米国株は上述した一覧表のように、11種のセクターに分類できます。
情報技術、ヘルスケア、生活必需品、公益、通信、一般消費財、資本財、金融、エネルギー、素材、不動産
これは、GICS(世界産業分類基準)に基づく分類がベースとなっています。
GICSとは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスとMSCIが、企業をセクター及び産業毎に分類するためにグローバル基準として1999年に定めたものです。
投資リサーチ、ポートフォリオ運用、及び資産配分のための産業分析の枠組みとして広く受け入れられており、上記11種のセクターとともに、24の産業グループ、69の産業、及び158の産業サブグループで構成されています。
ちなみにこの記事で取り上げる情報技術セクターの細かな分類はこんな感じ。
▶分類は不定期で更新されます。最新の分類詳細チェックはこちら
セクターの特徴
この図表は、各景気・金利状況において、人気化しやすい(≒株価の上昇や下落耐性が期待できる)セクターがマッピングされたものです。
▶上図はこちらの投資教本から引用
さて、セクターローテーションという言葉があります。
セクターローテーション
景気の動向を把握した上で、景気の局面変化ごとに、有望な業種別銘柄群に投資対象を切り替えていく投資戦略のこと。
景気の波を、谷底に達した時を出発点にして、拡大期→成熟期→後退期→停滞期とすると、それぞれの局面で高い投資成果を達成する産業群には、一定のパターンが見られる。
実際の投資では、このパターンを認識した上で、産業内での企業間格差にも注目する必要がある。
【出典】野村證券
景気循環の各局面で見られるセクター毎の統計的な強弱のパターン。それを投資戦略に組み入れる手法ということですね。
個人的に景気循環によってアクティブに投資先を入れ替えていくことは好みませんし、兼業投資家がそう簡単に上手く運用できるとは思えません。
投資手法としてはオススメすることはできませんが、セクターの『景気循環の各局面での強弱』という傾向を理解することは、2つの点で投資をしている方にとっては有意といえるでしょう。
- セクターの継続的な観察が大局的な相場理解の役に立つ。
- オフェンシブ・ディフェンシブな役割を期待してセクターETFを選別するといったポートフォリオ構築の選択肢が広がる
特に①が投資を続けていくうえで役立つのではないでしょうか。
「いま相場で何が起こっているのか」を知ることは、お化け屋敷に入る前に、お化けがどこで出てくるかという地図を手に入れることに似ています。
何が起こるか、あるいは起こっているかを予測できると、パニック売りのような精神状態を避けやすいし、仮説が外れたとしても、それを起点に「では何が起こっているか」を分析する切り口にもなるはずです。
2020年前半における特殊な状況においては必ずしもセクターセオリーが一致しないこともありますが、「一般的にこのような傾向がある」と認識していることで、その物差しと比べて今がどうか、何が異常なのかというふうに二次的に思考を深めていけることには意味があります。
セクターETFの活用方法
上述した①の相場理解という観点で、常に観察できる環境を作っておくと日々気づきがあるのでオススメです。
これは景気循環といった壮大なうねりだけに見られることではなく、日々の値動きにおいても観察できる傾向であるためです。
おはです。
◯🇺🇸株価指数前日比
☑︎ダウ→+1.44%
☑︎SP500→+1.05%
☑︎ナス→+0.66%3日連続YH🎉コロナ治療薬への期待反映か❷
原油先物も上昇転じ❸エネ株支援⛽️金融,エネセク主導で終盤にかけ上げ幅拡大
IT,ヘルスケア下げ❹ハイテク下げたとはいえ週間騰落みるとヤバいね😅
さて走る〜😙 pic.twitter.com/7BVHMSSy7r
— けだま@投資ブログ運営🐈 (@kedamafire) July 10, 2020
実際過去の各セクターETFの値動きの相関を調べてみると、数値からも各ETFの関係性や特長を読み取ることができます。
米国株セクターETFの相関係数
この傾向は、コロナ禍のイレギュラーな環境下でも見られた傾向です。
コロナ禍でのセクターETF相関係数
ぼく自身は以下のように楽天証券のアプリを利用して、セクター毎の値動きを簡単にチェックできるようにしています。

ちなみにぼく自身の保有株,ETFの中にセクターETFはVGTしかありませんが、個別株においてセクターを意識して保有銘柄を選定し組み合わせています。
■米国株&ETFの評価額週間推移
▷先週比+1.3%
▷年初来+6.5%
▷年度初来+29.5%セクター別
▷情報技術▲1.4%
▷生活必需品+1.2%
▷ヘルスケア+4.5%
▷通信+2.3%
▷公益+5.6%
▷( ´Д`)y━・~~+3.2%ETF
▷SPYD±0%
▷QQQ▲1.7%
▷VGT▲1.2%
▷VOO+1.3%(安定のVOO👀)
▷CXSE▲4.3%
▷INDL+6.8% pic.twitter.com/oboRAyUuWg— けだま@投資ブログ運営🐈 (@kedamafire) July 18, 2020
それでは続いて、各セクターETFについて、この記事では『米国・情報技術セクターETF』について見ていきます。
米国・情報技術セクターETFの基本情報

米国の情報技術セクターにまとめて投資ができるETFとして有名なものは以下の2つです。
運用会社 | 商品名 | ティッカー |
バンガード社 | 米国情報技術セクターETF | VGT |
ステート・ストリート社 | テクノロジー・セレクト・セクターSPDRファンド | XLK |
ともに米国の情報技術セクター、具体的にはマイクロソフト【MSFT】やアップル【AAPL】といった日本でも知名度のある企業群を多く含み、いま最も成長性が期待されて注目度が高いセクターと言えますよね。
VGTとXLKの上位構成銘柄はとても似通ったETFではありますが、その分散度合いの違いが特徴的です。
VGTの構成銘柄数は合計約300銘柄、一方XLKの構成銘柄数は合計約70銘柄であり、言うなればXLKの方がボラティリティが高いETFと言えるでしょう。
ただし、以後見ていくように、上位構成銘柄の比率がどちらも高いがゆえに、双方でパフォーマンスに目立った違いはありません。
【VGT】【XLK】の基本情報
銘柄 | VGT | XLK |
銘柄数 | 330 | 71 |
純資産総額 | 327億㌦ | 322億㌦ |
経費率 | 0.1% | 0.13% |
配当利回り | 0.95% | 1.05% |
3年トータルリターン | 26.17% | 25.14% |
5年トータルリターン | 22.41% | 21.6% |
※リンクからソースの最新情報が確認可能
上位銘柄とその構成比率が近いことから、あまりトータルリターンは変わりませんね。
コロナ禍において加速するデジタル化へのポジティブな変化をダイレクトに取り込むこのETFでは、株価が上昇するがゆえに配当利回りにはあまり期待できません。
米国・情報技術セクターETFの特徴、株価推移

【VGT】【XLK】の構成銘柄
VGT | 比率 | XLK | 比率 |
---|---|---|---|
AAPL | 19.4% | AAPL | 21.8% |
MSFT | 17.9% | MSFT | 21.3% |
V | 3.7% | V | 4.5% |
MA | 3.2% | MA | 3.7% |
INTL | 3.1% | INTL | 3.5% |
NVDA | 2.8% | NVDA | 3.4% |
ADBE | 2.5% | ADBE | 2.8% |
CSCO | 2.4% | PYPL | 2.8% |
PYPL | 2.3% | CSCO | 2.7% |
CRM | 1.9% | CRM | 2.3% |
合計 | 59.2% | 合計 | 68.8% |
VGT,XLKともに上位構成銘柄はほぼ共通ですね。構成銘柄の40%近く(!)がマイクロソフト【MSFT】、アップル【AAPL】が占めてることも同じです。
結局のところ、VGTやXLKに投資をするということは、この2社への投資をポジティブに捉えるか否かという風にも言えるかもしれません。
【VGT】【XLK】の業種別構成比率
情報技術セクター内でさらに分類化したサブセクターの構成比率はこちら。
VGTのサブセクター別構成比率(上位6種)
業種 | 比率 |
---|---|
システム・ソフトウェア | 21.9% |
テクノロジーハードウェア・コンピュータ記憶装置・周辺機器 | 20.7% |
半導体 | 15.1% |
情報処理・外注サービス | 14.5% |
アプリケーション・ソフトウェア | 13.1% |
情報技術コンサルティング | 4.3% |
XLKのサブセクター別構成比率(上位6種)
業種 | 比率 |
---|---|
システム・ソフトウェア | 33.3% |
テクノロジーハードウェア・コンピュータ記憶装置・周辺機器 | 22.8% |
情報処理・外注サービス | 20.8% |
半導体・半導体製造装置 | 17.5% |
通信機器 | 13.1% |
電子装置・機器 | 4.3% |
【VGT】【XLK】の株価推移/パフォーマンス
VGTが設定された2004年からのパフォーマンスを比較してみると、
VGT | XLK | S&P500 | |
---|---|---|---|
10,000$が | 67,958$ | 61,733$ | 34,829$ |
CAGR | 13.16% | 12.47% | 8.38% |
標準偏差 | 18.29% | 16.93% | 14.52% |
Best Year | 61.89% | 51.32% | 32.3% |
Worst Year | ▲42.8% | ▲41.5% | ▲36.8% |
シャープレシオ | 0.7 | 0.7 | 0.54 |
S&P500に比べて価格のバラつきが大きいとはいえ、CAGR(年平均成長率)は5%程度上回っています。
以下図表からもわかるように、2014年以降はS&P500をアウトパフォームしており、それは市場や経済における情報技術セクターの重みが年々増している表れとも言えるかもしれませんね。
ただし、セクターETFといっても、VGTやXLKを構成する銘柄の40%前後は、マイクロソフト【MSFT】、アップル【AAPL】という巨大IT企業が占めています。
そのため、このETFのパフォーマンスがすなわち情報技術セクター全体を表しているとはいえない可能性があることは理解しておく必要がありますよね。
【さいごに】米国・情報技術セクターETF

情報技術セクターの過熱感は、過去に2000年前後のドットコムバブルとその終焉にて一旦平熱におさまりました。
その後、iPhoneの登場、SNSの浸透、クラウド、5G、VR、自動運転、etc
ドットコムバブルから20年を経た今、SF的未来への期待先行による資金流入ではなく、人々の生活実感の帰結としての情報技術セクターへのリアルな期待がまた高まってきているように感じられます。
そしてそのギアは、コロナウィルスによる生活様式の一変と価値観の転換によって一気に高まる機運を見せています。
人々の期待を一身に集めるがゆえの割高感を肯定的に捉えるか否かは、各々の投資スタイルに依るものかもしれません。
ただ少なくとも、今後も革新を伴い世の中を変える期待値が相対的に高いセクターであることは間違いないため、投資を続ける以上は常に注目すべきセクターですね。
セクター毎の値動きのチェックは、楽天証券のアプリを利用すると便利なのでおすすめです。

今後、以下のようにシリーズでセクターETFを紹介していきます。
セクター名称 | 企業例 | ETF例 |
---|---|---|
情報技術 | AAPL,MSFT | VGT,XLK |
ヘルスケア | JNJ,UNH,MRK | VHT,XLV |
生活必需品 | PG,KO,PEP | VDC,XLP |
公益 | NEE,D,SO | VPU,XLU |
通信サービス | GOOG,FB,DIS | VOX,XLC |
一般消費財 | AMZN,HD,MCD, | VCR,XLY |
資本財 | UNP,LMT,BA | VIS,XLY |
金融 | JPM,BRK,BAC | VFH,XLF |
エネルギー | XOM,CVX | VDE,XLE |
素材 | LIN,APD | VAW,XLB |
不動産 | AMT,CCI, | IYR,XLRE |



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ぼく自身は上記3社ともで口座を開設し、
メイン利用は楽天証券、
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