

日産自動車が、5月14日の市場取引時間終了後に決算を発表しました。
この記事では、
- 日産自動車の2019年度業績悪化&減配
- それによる株価の下落
をもとに、『高配当株の減配リスクとどう付き合うか』について考えていきます。
決算結果は悪かったです。
2019年3月決算の売上高は11.6兆円で、対前期▲3.2%の減収、また対コンセンサスも▲2.0%下回りました。
同じく営業利益は3,182億円で、対前期▲44%の減少、また対コンセンサスも▲17%下回りました。

また、2020年3月の見通しについても、売上高見通し、営業利益見通しともに対コンセンサス予想を下回りました。
連結最終利益も前期比46.7%減の1,700億円まで落ち込む見通しとのこと。
ここまででもなかなかパンチがありますが、最後のバッドニュースとして、今期の年間配当を前期比17円減の40円に減配する方針を発表しました。

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業績リスクは常にあると認識し、具体的なリスク管理を!

「リスクは常にあると認識すること」とは、「減配があるかもしれない」「株価が下がるかもしれない」と恐れることではありません。
リスクを常に認識したうえで、具体的なリスク管理をするということです。
誰が何と言おうと未来のことはわからない
雑誌やネットから得られる情報には有益なものもありますが、情報には鮮度がありますよね。
その時点では有益でも明日は状況が変わっているかもしれません。
そういった意味で、外部から仕入れた情報を鵜呑みにするのは危険。
過去や現時点の情報として参考になり予測の肥やしになったとしても、未来の予言にはなりえないことを肝に銘じるべきです。
とはいえ、未来のことはわからないからと貯金ばかりしていては資本主義社会の恩恵に一生与かることができません。
だから、地に足の着いた具体的なリスク管理を行うことが重要です。
余裕資金で投資を行う
これ、当たり前ですが投資はじめてすぐだと意外と難しいんですよね。
突発的な病気やケガ、災害を念のため考慮すると、最低でも100万円は非投資資金の現金でストックする必要があるでしょう。
そのうえで、生活費以外の余裕資金を積立投資するか貯金して投資資金としましょう。
高配当株へ投資していても今回の日産のように減配が発表されると、一気に株価が下落する可能性があります。
ところが、売り遅れると低迷した株価で売るに売れずホールドせざるをえない状態となるでしょう。
そのときに投資資金が余裕資金でなかったら、低迷した株価でも売って現金化せざるをえず、損失がさらに膨らむという最悪の結末になりかねません。
そのうえで、適切に投資先を分散しよう

生活費や突発的トラブルに備える資金と投資資金を分離したら、投資先を分散しましょう。
株式投資の場合の「分散」方法は以下の2つ
- 複数銘柄に分散投資する
- 投資信託やETFへ投資する
複数銘柄に分散投資する
例えば、日産自動車株を100万円分保有しているとします。
日産の株価が10%下落すると、
100万円×10%=10万円分の損失
保有資産=100万
90万と10%下落
日産自動車株10万円分、その他9銘柄も10万円ずつ合計100万円保有していた場合、
日産の株価が10%下落しても、
10万円×10%=1万円分の損失
保有資産=100万
99万と1%下落

投資信託やETFに投資する
そうはいってもやはり個別株を複数分散投資するには、株式投資への趣味的な感情が必要。
毎期の業績チェックが欠かせないためです。
キャッシュフローの低下や財務基盤の不安定化は配当維持を揺るがしかねません。
ですのでそれが面倒だと感じる場合、個別株投資は避けて、個別株へ分散投資している効果が得られる投資信託やETFを購入するのも一つの選択肢です。
SPDRポートフォリオS&P500高配当株ETF
- ティッカー:SPYD
- ベンチマーク:S&P500高配当指数
- 経費率:0.07%
- 投資地域:米国
- 設定年:2015
S&P500銘柄のうち、高配当の80銘柄で構成される指数に連動。不動産や消費財、公益企業が主体。各社分散比率は0.8%~1.8%。低コストが特長。
1年:9.64%
3年:13.31%
≪2019.5.15時点≫
バンガード・トータル・ストック・マーケットETF
- ティッカー:VTI
- ベンチマーク:CRSP USトータル・マーケット指数
- 経費率:0.04%
- 投資地域:米国
- 設定年:2001
米国株式市場の投資可能銘柄ほぼ100%を対象にした指数に連動。組入銘柄数約3,500。このETFを購入することは、米国市場へ丸々投資することとイコール。
1年:9.64%
3年:13.31%
を通じて購入しています(楽天VTI)
≪2019.5.15時点≫
高配当株の分散投資先選択ポイントは?

2つのポイントを考えましょう。
1つ目は、過去のデータから選定すること。
2つ目は、最新のデータから選定することです。
連続増配銘柄に注目する(過去のデータから選定)
年々増配する配当成長株で高配当の銘柄に注目するのは一つの銘柄選定手段になりえます。
例えばTOPIXコア30種大型株で10年連続増配している銘柄はこちら。
日本たばこ産業 | 配当利回り:6.21% 一株当たり配当:154円 |
---|---|
花王 | 配当利回り:1.54% 一株当たり配当:130円 |
KDDI | 配当利回り:3.82% 一株当たり配当:100円 |
米ダウ工業株30種大型株で10年連続増配している銘柄は、
コカ・コーラ[KO] | 配当利回り:3.32% 一株当たり配当:1.6ドル |
---|---|
アイ・ビー・エム[IBM] | 配当利回り:4.78% 一株当たり配当:6.48ドル |
ベライゾン[VZ] | 配当利回り:4.23% 一株当たり配当:2.41ドル |
プロクター・アンド・ギャンブル[PG] | 配当利回り:2.81% 一株当たり配当:2.98ドル |
ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ] | 配当利回り:2.73% 一株当たり配当:3.8ドル |
エクソン・モービル[XOM] | 配当利回り:4.54% 一株当たり配当:3.48ドル |
マクドナルド[MCD] | 配当利回り:2.32% 一株当たり配当:4.64ドル |
キャタピラー[CAT] | 配当利回り:3.13% 一株当たり配当:4.12ドル |
スリーエム[MMM] | 配当利回り:3.27% 一株当たり配当:5.76ドル |
ウォルマート[WMT] | 配当利回り:2.08% 一株当たり配当:2.12ドル |
と、日本株よりも米国株の選択幅は広いです。
さらに米国株では、25年以上連続増配を続ける企業も多くあり、それらを集めて指数化した『S&P500配当貴族指数』なるものもあります。

25年以上連続増配ということは、リーマンショックといった大型不況下においても増配を続けた企業ということですので、
- 安定したキャッシュフロー
- 株主還元への強い姿勢
があると理解ができるため、一定の信頼はおけるはずです。

業績ポイントをチェックする(最新のデータから選定)
とはいえ、ビジネスの世界ではテクノロジーの進化や競合先の存在で永遠に安泰であることはありえません。
そのため、毎期の決算チェックはどうしても必須となります。
詳細は別記事で解説しますが、
- 売上高営業利益率が安定しているか
- キャッシュフローが安定しているか
- 配当性向が高すぎないか
は最低限チェックしましょう。
10年以上の増配企業であれば、財務状況はしっかりしている場合が多いです。
さいごに~高配当株の減配リスクとどう付き合うか~
日産自動車株は、2019年5月14日の決算と減配発表後、翌日前場の時点で約7%近く下落中。。
人気の高い高配当株とはいえ、こういったリスクがあることをあらためて認識することができるいい機会になりました。
とはいえ、給与収入だけではなく投資と上手く付き合いながら資産を最大化させていくことが、今後を生き抜くうえで大事な力の一つとなるであろうことは確実。
このブログがそのためのお役立ちツールの一つになればうれしいです!
▼投資で資産を持つことの重要性がわかる本

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それではまた~
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