

米アップル社は、2019年3月25日、多岐に渡るiPhone向け新サービスを発表しました。
いずれもサブスクリプション(継続課金)型のサービスです。
iPhoneの販売不振などで18年10~12月期に9四半期ぶりの減収を記録したアップル。
今回のサブスクリプション型サービスラインナップの拡充は、アップル社の「モノからサービスへ」という事業拡大への本気度が感じられるニュースでした。
とはいえ、どのサービスへも後発組として参入する形ですからどの程度市場に受け入れられるのかは未知数です。
発表されたサービスの内容とアップル社のこれまでの売上高推移や売上構成比を振り返りながら、今後の展望をみていきましょう。


★★★
◆発表された4つの新サービス
①アップルTV+(プラス)
- 定額制の動画配信サービス
- 独自の映像作品も制作
- iPhoneなど同社製品利用者をターゲットに100超の国や地域で提供
【強み】世界14億台をこえる自社製品の普及
【競合】Netflix、ウォルト・ディズニー他
②アップルニュース+(プラス)
- 定額制のニュース配信サービス
- 月額9.99ドルで300超の新聞・雑誌が読み放題
- タイム、ニューヨーカー、ヴォーグ、ナショナルジオグラフィック等
- 専用アプリをダウンロードし利用
【競合】Microsoftニュース、Googleニュース他
③アップルアーケード
- 定額制のゲーム配信サービス
- 2019年秋から開始予定
- アップル自身がパブリッシャーとしてゲームを提供
- 料金体系詳細は未発表
【競合】Google「STADIA」他
④アップルカード
- 2019年夏から米国で発行開始
- ゴールドマン・サックスなどと組んだ独自のクレカ
- 手数料、年会費なし。iPhoneからのサインアップですぐに利用可
うん。。サービス自体は画期的なものではありせんよね。。
世界14億台を超える自社製品の浸透という強みがどれだけ活かせるか、また、上記①~③の提供コンテンツの質が競合サービスのそれを凌駕できるかどうか注目したいです。
ちなみに、アップルは2020年にサービス部門の売上高を500億ドル規模へと増やす計画を立てています。これは、2016年の2倍にあたる数値です。
アップル社の売上数値等概観をみておきましょう。
※2018年4Qまでの数値でまとめています。直近分は含んでいません。
▼アップル社の売上高推移
≪出所:Apple Annual Reportから加工≫
日本円にして30兆円程。桁が違いますね。。
▼アップル社の営業利益推移
≪出所:Apple Annual Reportから加工≫
営業利益は日本円にして8兆円を稼ぎ出しています。
▼iPhone販売台数の推移
≪出所:Apple Annual Reportから加工≫
iPhoneは毎年2億台が売れていたわけですが、2019年1月、中国市場での販売低迷からその勢いに陰りが見えてきています。
▼アップル社の事業セグメント別売上高
≪出所:Statista.com≫
iPhoneが圧倒的ではありますが、サービス部門売上高がMacを抜いて2番目に伸長しています。
ちなみにサービス部門とは、
- Apple music(音楽)
- Apple Pay(決済)
- iTunes
- App store
- iCloud
- Apple Care(保守)など
▼サービス部門の売上高は2013年から2018年で倍増
≪出所:Statista.com≫
▼2018年4Q売上高の16%がサービス部門
≪出所:Statista.com≫
そう。ただ、売上高の大分を占めるiPhoneの販売が低迷してきているなか、このサービス部門の成長がアップル社の成長にとって必要不可欠。
Spotify、YouTubeMusic、Android Pay、Samsong Pay、AWS、Netflix、Disney etc‥‥
音楽、決済、クラウド、動画配信などアップルが参入するサービス事業には強力なライバル群が多いため、そのなかで今回あらたに加えられたサービス事業がどんな結果をもたらすか。
引き続きアップル社へ投資を続けるにあたり、サブスクリプションの会員数増減数値には毎期注目していきたいですね。
それではまた~
★★★

▼米国株投資に関する名著
どちらも名著で有名。『敗者のゲーム』は短く読みやすい

使いやすさ | |
---|---|
コスト | |
情報量 |

使いやすさ | |
---|---|
コスト | |
情報量 |

使いやすさ | |
---|---|
コスト | |
情報の豊富さ |
ぼく自身は上記3社ともで口座を開設し、
メイン利用は楽天証券、
ETF積立はSBI証券、
情報収集はマネックス証券
と使い分けしています。